ams OSRAM、収益性と構造的成長に向けてポートフォリオを集中;第2四半期の収益性を予想範囲の上限と発表

スイス証券取引所上場規程第53条に基づく特別発表

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ams OSRAM、収益性と構造的成長に向けてポートフォリオを集中;第2四半期の収益性を予想範囲の上限と発表

  • 将来的なポートフォリオは、構造的に魅力的な自動車、産業、医療市場への取り組みを強化し、差別化されたインテリジェントなセンサとエミッタを重点化
  • マイクロLEDなどコンシューマー市場における差別化された機会を引き続き追求
  • グループは収益予想ランレート3億~4億ユーロの非主力半導体事業から撤退
  • 現金支出を伴わないのれんの減損費用13億ユーロを計上予定
  • 組織調整を含む「基盤再構築」効率化プログラムを実施、2025年末までに1億5,000万ユーロの調整後EBITランレート改善を見込む
  • 2024年1月1日付でマネジメントボードはCEOとCFOに縮小
  • 第2四半期の収益は8億5,100万ユーロ、調整後EBIT利益率は5.9%と予想範囲の上限を達成
  • 第3四半期の収益は8億4,000万ユーロ~9億4,000万ユーロ、調整後EBIT利益率5~8%を予想
  • 2024年に関する予備的見解:ポートフォリオの決定により2024年度の収益は減少;フリーキャッシュフローは若干プラス;最終市場の安定化を前提として、主力事業はターゲット市場を上回る成長が見込まれる
  • 目標財務モデルを修正:2026年に縮小後の基盤に基づく収益年平均成長率(CAGR)6~10%、調整後EBIT約15%を目指す
  • 財政立て直しの検討は順調に進展中

 

※本プレスリリースは、2023年7月27日にオーストリア・プレムシュテッテンおよびドイツ・ミュンヘンで発表したプレスリリースの抄訳版です。
ams OSRAM(日本地域統括バイスプレジデント:神永眞杉、SIX:AMS)は、グループの戦略的再編成を発表すると同時に、第2四半期の決算が会社の予想範囲内であることを報告します。

 

「この数か月間をかけて、私たちはこれからの道筋を見定めるために、会社を詳細に分析してきました。当社は非常に強力な中核事業を有していますが、業績を向上させるためには大胆な措置を講じる必要があります。本日、重要な決定事項を発表します」と、ams OSRAMのCEO、アルド・カンパ(Aldo Kamper)は語ります。

ams OSRAMは、差別化されたインテリジェントなセンサとエミッタコンポーネントという収益性の高い中核に半導体ポートフォリオを再集中させていきます。パッシブ光コンポーネントを含む、収益が約3億ユーロ~4億ユーロで低迷している主力以外のポートフォリオからは撤退します。

車載用ランプの市場リーダーとしての位置付けを拡大しつつある自動車照明と、特殊照明事業(ランプ&システム部門)は、グループの収益性に対する大きな貢献度を継続していきます。

ams OSRAMは、関連の自動車・産業・医療(AIM)向け半導体市場におけるその主導的地位の拡大を目指します。コンシューマー機器向け半導体市場では、最先端のイノベーションを通じて持続的な差別化を達成できる製品分野で、特定の機会を引き続き追求していきます。グループ内の製造能力を競合他社との差別化が維持できるプラットフォームのみに集中させていきます。

今後は、高性能LEDやレーザー、ミックスドシグナルアナログIC、センサなどのコアビジネスへの投資がより一層強化されます。グループは、マイクロLEDなどの破壊的な革新をもたらす将来の成長分野に対する特定の投資を継続していきますが、新しい事業機会と確立済みの事業機会の間でよりバランスの取れた資源配分を追求していきます。

「基盤再構築」プログラムは、2025年末までに年間1億5,000万ユーロの節約を目標としており、その約半分は2024年末までに実現する予定です。このプログラムの一時的な費用は5,000万ユーロと見積もられています。

このプログラムの一環として、ams OSRAMは、半導体部門におけるポートフォリオ集中の決定から得られる利益を実現し、同時に新たな収益基盤に合わせて会社の諸経費とインフラストラクチャの適切な規模を適正化します。イノベーションの力を収益化する組織の能力を強化するために、会社の経営体制を調整します。これには、半導体部門に2つの事業部(これまでは3つ)を設置することが含まれ、1つがエミッタ、もう1つがセンサとアナログミックスドシグナルICに特化されており、いずれも徹底したオーナーシップの明確化を図ります。

各部門の起業家精神を強化し、グループはマネジメントボードにおける機能的管理モデルから脱却します。その結果として、2024年1月1日付でグループのマネジメントボードはCEOとCFOに縮小されます。

現在のマクロ経済環境を考慮し、一部の業績が低迷しているコンシューマー事業を含む各事業分野の見通しを慎重に検討したところ、大幅な見直しが必要であることが判明しました。これにより、現金支出を伴わないのれんの減損費用13億ユーロが発生しました。中核事業の見通しは引き続き良好です。

グループは、2023年から2026年にかけて、縮小後の基盤、すなわちランプ&システム部門と半導体部門における新しい半導体コアポートフォリオから、年平均成長率(CAGR)6~10%の収益成長を予想しています。

この収益レベルで、かつ「基盤再構築」プログラムの完全な実施を受けて、ams OSRAMは2026年以降約15%の調整後年間営業利益率(調整後EBIT)の実現を見込んでいます。

グループは、新しい独自の8インチマイクロLED技術プラットフォームの確立に向けた追加投資によって現在高水準にあるCAPEXを、2025年のサイクルで収益の10%に戻すことを見込んでいます。

財政立て直しの進展に加え、非主力半導体事業からの撤退によるキャッシュインと、主力ポートフォリオの改善されたキャッシュフロー生成もバランスシートの強化に寄与します。

「私たちのイノベーションの力は、複雑化する世界の簡素化に役立ちます。中核事業を中心に再建を進めることで、構造的な成長トレンドから恩恵を得ると同時に、より差別化された製品の提供によって、ターゲット市場でより強い企業となることができます。すべてのステークホルダーにとって信頼できるパートナーになります」と、アルド・カンパは説明しています。「収益性とイノベーションの収益化を思考の中心に据えると同時に、世界をより安全で、シンプルで、効率的なものにするための最先端技術に対する情熱を維持し続けます。これこそが、私が経営陣とともに目指しているものです」。

第2四半期財務・事業報告

グループは、第2四半期の収益が8億5,100万ユーロ、調整後営業利益率は5.9%と、予想範囲に沿ったものとなったことを報告します。第1四半期のDigital Systems Eurasiaの売却を含む連結除外の影響7,900万ユーロを除くと、収益は第1四半期とほぼ同水準となりました。利益率は若干改善し、予想範囲の上限となりましたが、特にランプ&システム部門における季節性の生産設備からの多額の未稼働費用と製品構成の悪化を考慮すると、依然として低調でした。

半導体事業は第2四半期収益の71%(6億ユーロ)を占めており、異なる最終市場で牽引力にはばらつきがありました。自動車関連事業では、自動車サプライチェーンに対するさまざまなマクロ経済的ショックの影響により、約2年間にわたって不規則な動きと在庫調整が続いていましたが、受注パターンの正常化が示されました。産業および医療関連事業は、第1四半期よりは好調でしたが、レーザー溶接など好調なアプリケーションもあれば、園芸照明用ハイパーレッドLEDのように非常に低調なアプリケーションもあり、マクロ経済の低迷期に典型的なばらつきのある動きとなりました。コンシューマー事業は、既存の供給関係からの売上が増加したことにより、前四半期比で18%増となり、改善の兆しがみられました。全体として、コンシューマー事業は、スマートフォン市場が縮小し、一部の設計が徐々に生産終了を迎え、価格圧力が高止まりし、2024年まで発売されない設計があることから、グループにとって前年同期比で厳しい状況が続いています。 

ランプ&システム部門は、第2四半期収益の29%(2億5,100万ユーロ)を占めており、自動車アフターマーケットランプ事業が典型的な季節要因により減少したにもかかわらず、堅調な収益を計上しました。エンタテインメント用および産業用特殊ランプは、予想通りの売上となりました。その中で、半導体製造設備用特殊ランプは、同分野の世界的な減速により需要が軟化しました。

現金支出を伴わない13億ユーロの減損により、IFRS基準による純損益はマイナス13億ユーロとなりました。  営業キャッシュフローは、第1四半期比7,000万ユーロ増の2億3,200万ユーロと大幅に増加しました。

四半期財務概要

百万ユーロ(1株当たりデータを除く) 2023年Q2 2023年Q1 前期比 2022年Q2 前年比
収益 851 927 -8% 1,183 -28%
調整後総利益率 1) 27.8% 29.3% -150 bps 31.6% -380 bps
調整後営業利益(EBIT)1) 50 50 0% 104 -52%
EBIT利益率、% 1) 5.9% 5.4% +50 bps 8.8% -290 bps
調整後純損益 1) 31 6 464% -54 N/A
調整後の希薄化後1株当たり利益1) 0.12 0.02   -0.21  
調整後の希薄化後1株当たり利益(スイスフラン)1) 2) 0.12 0.02   -0.21  
営業キャッシュフロー 232 162 43% 100 132%
純負債 2,034 1,940 5% 1,727 18%


1) M&A関連の転換と株式ベースの補償コスト、および関連会社への投資と事業売却の結果を除く

2) 1株当たり利益(スイスフラン)は、各期間の平均為替レートを用いて換算

 

「車載用LEDのサプライチェーンに安定化の傾向が見られたことを嬉しく思います。一部の産業およびコンシューマー事業で売上が改善したものの、これらの市場におけるマクロ経済情勢は依然として非常に厳しいものとなっています。当社は営業キャッシュフローの改善に努力し、収益性の改善に引き続き取り組んでいきます」と、アルド・カンパはコメントしています。

 

第3四半期の見通し

車載製品に対する需要の高まりを受けて、グループは第3四半期の収益が8億4,000万ユーロから9億4,000万ユーロの水準まで改善すると見込んでいます。調整後EBITは5~8%となる見込みです。

2024年度に向けたコメント

非主力半導体事業からの撤退により、2024年度の収益基盤は低下します。ランプ&システム部門を含むこの新たな基盤からの収益は、最終市場の安定化を前提として、ターゲット市場を上回る成長が見込まれます。

またグループは、最終市場が安定することを前提に、2023年と比較してCAPEXが大幅に減少することで、2024年のフリーキャッシュフローを若干プラスにすることを目標としています。

半期報告書および追加情報

第2四半期に関するその他財務情報および2023年上半期の半期報告書は、当社ウェブサイトで公開されています。グループの戦略アップデートに関する詳細情報を含む2023年第2四半期の投資家向けプレゼンテーションも、当社 ウェブサイトでご覧いただけます。

ams OSRAMは、2023年7月28日(金)に第2四半期決算に関するプレス発表とアナリスト・投資家向け電話会議を開催します。プレス発表は午前10時(CEST)に行われます。プレス発表に参加をご希望の報道関係者の方は、 こちらからご登録いただけます。アナリスト・投資家向け電話会議は、午前11時(CEST)開始です。 ウェブキャストでご参加いただけます。