AS8579センサは、自動車メーカーが国連協定規則第79号に準拠する最もシンプルな方法を提供し、同時に最高の検出性能を実現


自動車の設計技術者にとって、既存のアプローチよりも優れたパフォーマンスを発揮し、コストを削減するとともに、アプリケーションへの実装が容易な新しいテクノロジーソリューションを見つけることは容易ではありません。しかし、amsの新製品、AS8579静電容量センシングチップは、運転支援機能を提供する自動車のハンズオン検出(HOD)に使用することで、まさにそれを実現します。

これは、ステアリングホイール上のドライバーの手の位置を検知するために、馴染み深く実績のある測定原理である、I/Q復調を適用した結果です。この技術は、自動車のHODに使用されている既存のどの技術よりもはるかに優れています。ビデオでそのハイライトをご覧ください。

 

 

新しい自動車の設計に不可欠な安全要件

HOD機能は国連協定規則第79号で義務付けられており、批准の場所を問わず車線維持支援システム(LKAS)を搭載するすべての新車に適用されます。欧州連合(EU)では、2021年4月1日以降の新規生産車両に既に導入されています。HODシステムの目的は、緊急時またはLKASの故障時に、ドライバーがステアリングシステムを制御する準備が整っているか否かを継続的に監視することです。

このHOD機能を提供するためにさまざまな技術が開発されてきましたが、限界がありました。例えば、ステアリングホイールを握らないようにしたいドライバーは現在のモニタリングシステムを欺くことができ、これでは安全性が損なわれる可能性があります。また、既存のソリューションの中には、特定の動作条件で性能が低下するものもあります。

HODへのアプローチの1つが、トルクセンサです。これは、ドライバーがステアリングホイールを握ったときに生じる、継続的で微細なたわみを検出するものです。しかし、この技術の大きな欠点は、簡単に欺かれてしまうことです。ドライバーがハンドルから手を離し、足でハンドルを押し上げることで、ハンドルを「握っている」ように見せかけることができます。

トルクセンサの問題点を解決するために、自動車業界はHODに静電容量センサを採用するようになりました。これは、電荷を吸収するドライバーの手がステアリングホイールに接触したときの、ステアリングホイールにおける静電容量の変化を検出することで、ドライバーがステアリングホイールを握っているか否かを監視するものです。この方法は、ステアリングホイールに組み込まれた金属のセンサ素子に接続されたセンサチップ1つのみを必要とします。

これまで自動車のシステムメーカーは、充放電方式の静電容量式センシングを用いてきました。これは、タッチスクリーンやタッチセンシングボタンなどの製品で長年にわたって使用されており、よく知られた技術です。しかし、ドライバーが手袋をすると検出できなくなり、湿気や湿度により検出信号が誤って生成されるため、この方法による静電容量センシングのハンズオン検出の安全性能は損なわれます。このタイプの静電容量センサは、ドライバーが果物やペットボトルなどの静電容量をもつ物体をステアリングホイールのフレームに押し込んでも、誤って検知してしまいます。従って、このような充放電方式の静電容量センサの導入は安全性を損なう可能性があります。

他のドライバーモニター機能において、すでに他の技術が応用されているのも事実です。例えば、2次元光学センサは、ドライバーの頭部の位置を監視するシステムに使用されています。しかし、これらの2次元光学センシングシステムは、HODを実行することはできません。つまり、静電容量センシングは、HODを実現するための最も有力で、現在すぐにでも導入することができる技術です。そして今、amsは自動車業界が求めるすべての安全要件を満たし、かつ簡単に導入できる静電容量センシングの新たなアプローチを手にしています。

より優れたパフォーマンス、より低コスト

amsのこの新しいソリューションは、従来の静電容量センシング向けの充放電技術よりも少ない部品で、より優れたパフォーマンスを提供します。

I/Q復調に基づく確実な静電容量センシングを実装することで、AS8579静電容量センサは欺くことができない方法でHODを実行します。I/Q復調は、充放電法と同様に、実績のあるよく知られた静電容量センシングの技術です。その利点は、システムのインピーダンスの抵抗性と容量性の成分を同時に測定できることです。そのため、充放電方式とは異なり、湿気がある場合やドライバーが手袋をしている場合などの難しい条件でも確実に動作します。また、欺くことができないため、ドライバーがステアリングホイールを握っているか否かを確実に検知することができます。また、AS8579を用いたソリューションは、ステアリングホイールのヒーター素子を介して動作できるため、ステアリングホイールに別のセンサ素子を組み込む必要がないという利点もあります。

AS8579は、次を通じてエンジニアリング設計における通常のトレードオフを排除します。

  • パフォーマンスの向上 - 欺かれることがなく、あらゆる条件で動作します
  • コスト削減 - シングルチップソリューションであるため、ヒーター付きステアリングホイールに専用のセンサ素子を必要としません
  • 実装が容易 - チップの出力はインピーダンスの測定結果であり、システムコントローラは閾値を適用するだけでステアリングホイールに手が置かれているかどうかを判断できます。 

自動車向けの設計にすぐに使用可能

AS8579は車載用として完全に認定されており、複数のオンチップ診断機能を備え、機能安全規格ISO 26262のASIL Grade Bまでのサポートを保証しています。AS8579は、45.45kHz、71.43kHz、100kHz、125kHzの4種類のドライバ出力周波数から1つを選択でき、電磁干渉に対する高い耐性を備えています。

自動車の設計者は、専用の評価キット、AS8579-TS_EK_DBを使用して、すぐにAS8579車載用静電容量センサで開発に着手することができます。

詳細な技術情報やサンプルをご希望の場合は、静電容量センサAS8579をご覧ください。