Satellite-based exploration of the Earth’s magnetosphere

超高精度な新センサIC、宇宙空間から地球磁気圏の3Dマッピングを可能に

2015/06/03

NASAの人工衛星に搭載されたams製フラウンホーファーセンサ、10pTほどの微小な磁場の変化を測定し、見事な初期成果を達成

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ams(日本法人:amsジャパン株式会社、東京都港区、カントリーマネージャー 岩本桂一)のフルサービス・ファウンドリ事業部、フラウンホーファーIIS(集積回路研究所)、およびオーストリア科学アカデミー(OeAW)の宇宙科学研究所
(Institut für Weltraumforschung, IWF)は本日、宇宙からの地球磁気圏の高精度測定に関して大変有望な結果が得られたことを発表しました。

2015年3月に打ち上げられたNASAの「磁気圏マルチスケール」ミッションの一環として、同一の衛星4機による地球磁気圏の高精度な三次元測定が行われています。本ミッションで期待される目標は、磁気圏のダイナミクスを探査し、非常に精度の高いセンサを使って地球磁場におけるわずかな変化を測ることです。宇宙科学研究所(拠点はオーストリア・グラーツ)の主導による研究努力は、地球の磁力が運動エネルギー、熱エネルギー、粒子加速に変換される自然現象、いわゆる磁気リコネクションに焦点を合わせています。磁気リコネクションは、オーロラや地球磁気圏の一時的な障害に関わるメカニズムの一つです。

人工衛星におけるすべての計測機器や装置と同様に、宇宙科学研究所の磁力計は消費電力がごくわずかでありながらも、できるだけ小型かつ軽量である必要があります。それに加え、極低温下や放射線下といった過酷な環境においても高い精度が要求されます。

宇宙科学研究所と共同でフラウンホーファーIISが開発した、小規模なカスタムASIC(特殊用途向け集積回路)は、人工衛星のデジタル方式フラックスゲート磁力計(DFG)による磁気圏の高精度な三次元測定を超低消費電流で可能にします。従来の電子コンパスよりも数千倍の感度である10ピコテスラの分解能で動作する本デバイスは、磁束のわずかな変化を感知することができます。

この特殊なフラウンホーファーASIC を製造したamsの0.35µm CMOS(C35)プロセス技術は、複雑なアナログ/ミックスドシグナル集積回路の設計が可能です。独自のプロセスアーキテクチャに基づいた耐放射線C35技術は、宇宙や航空宇宙用途での使用に最適です。フラウンホーファーと宇宙科学研究所の設計チームはまた、包括的なプロセス開発キット(PDK)やIPブロックポートフォリオ、先進プロセス技術、および製品検証サービス、サプライチェーン管理機能など、amsのICデザイン向けターンキーソリューションというメリットを受けました。こうしたメリットは、amsのファウンドリカスタマが開発リスクを大幅に軽減して開発サイクル期間を短縮することを可能にします。

フラウンホーファーIIS、ASIC開発プロジェクトマネージャ、ジョハン・ハウアー氏のコメント:「0.35µm CMOSプロセス、フラウンホーファーIISの研究者と科学者のチームが、性能、消費電力、ダイ面積、信頼性のすべての点で我々の期待をはるかに上回る複雑なアナログ/ミックスドシグナル集積回路を開発することを可能にしました」IWF、副ディレクター、ワーナー・マグニス氏のコメント:「最初かつ短期のテスト期間であったものの、オーストリアで開発・製造された集積回路をベースにした磁力計が精度と安定性の要件を大幅に上回ることが確認でき光栄に思います」

ams、フルサービス・ファウンドリ事業部門ジェネラルマネージャ、マーカス・ウクセのコメント:「約25年に及ぶフラウンホーファーIISとの協力関係の中で、amsは研究および産業プログラムに向けた膨大な数の複雑な集積回路の開発に成功してきました。ams製の集積回路が、今や宇宙空間で確実に動作し、地球の物理をより理解するのに役立っていることを非常に喜ばしく思います」

フルサービス・ファウンドリの総合的なサービスおよび技術ポートフォリオに関する詳しい情報は、こちらのサイトをご覧ください。full service foundry

ams のフルサービスファウンドリ事業部門について
amsのフルサービスファウンドリ事業部門は、アナログ/ミックスドシグナル ファウンドリ市場における良好な地位を確立しました。同事業部門のプロセス技術のポートフォリオは、amsアナログ、ミッスクドシグナル、高耐圧およびRFプロセスに基づく0.18umおよび0.35um特殊技術を含みます。amsは、「”More
than Silicon”」戦略により、業界標準のファウンドリサービスの枠を超えて総合的なサービスと技術パッケージを提供しています。それは、シリコン貫通ビアを使用する3D IC、カラーコーティング、バックエンドプロセスのカスタマイズ、WLCSPなどの最新技術拡張を含みます。フルサービスファウンドリ パッケージは、設計段階の優れたサポート、高性能ツールおよび経験豊富な技術者、シリコンにより証明された高性能アナログIPブロック、ターンキーソリューションのためのアセンブリおよびテストサービスを提供しています。

 

フラウンホーファーIIS(集積回路研究所)について
フラウンホーファー研究機構は、ヨーロッパ最大の応用研究機関です。ドイツ国内に点在する66の研究所および研究ユニットで研究活動が行われています。フラウンホーファー研究機構は約24,000人ものスタッフを擁し、年間研究予算総額は20億ユーロを超えます。フラウンホーファーIISは、マイクロエレクトロニクスおよびITシステムソリューション/サービスにおいて世界トップを走るアプリケーション指向の研究機関です。全フラウンホーファー研究施設の中でも最大の研究所です。mp3の開発およびAACの共同開発により、フラウンホーファーIISの名は世界中に知れ渡りました。パートナーやクライアントと緊密に協力し、当研究所はオーディオ&マルチメディア、イメージングシステム、エネルギー管理、IC設計、設計の自動化、通信システム、ポジショニング、医療技術、センサシステム、安全・安心技術、サプライチェーン管理、非破壊検査の分野において研究開発サービスを行っています。およそ880人の従業員が産業、サービス分野、公的機関向けに委託研究を行っています。1985年にエアランゲンで設立されたフラウンホーファーIISは現在、エアランゲン(本拠)、ニュルンベルク、フュルト、ドレスデン、さらにはバンベルク、ヴァイシェンフェルト、コーブルク、ヴュルツブルク、イルメナウ、デッゲンドルフの10都市に12の拠点を構えています。1億2千万ユーロの予算は主にプロジェクトから資金提供を受けています。予算のうち23パーセントは、連邦・州基金から補助を受けています。

IWF Grazについて

オーストリア科学アカデミー(Österreichische Akademie der Wissenschaften, ÖAW)のグラーツ宇宙科学研究所(Institut für Weltraumforschung, IWF)は、物理学および太陽系探査に重点的に取り組んでおり、宇宙環境に適した計器の開発や組み立てから、これらの計器から返されたデータの分析および解明まで、当分野で必要な一連の研究を行っています。科学の観点でIWFが重視しているのは、宇宙のプラズマ物理、太陽系の天体や太陽系外惑星の上層大気、地球や月の重力場です。現在、IWF
Grazは欧州宇宙機関(ESA)、アメリカ航空宇宙局(NASA)、日本、ロシア、中国が主導する15の国際的な宇宙ミッションに携わっています。これらのミッションには、地球近傍の衛星群、太陽の観測、太陽系内外の惑星の探査、そして彗星への軌道到達と着陸があります。