ams、スマートウォッチやその他のウェアラブル端末でよりスピーディかつ信頼性の高い非接触型ペイメントを可能にする、新しい NFC ソリューションを発表

ams(日本法人:amsジャパン株式会社、東京都品川区、カントリーマネージャー 岩本桂一)は本日、スマートウォッチやリストバンドなどスペースに制約のある端末向けに、信頼性の高い非接触型ペイメントやチケット発行を実現する新しいNFC(近距離通信)ソリューションを発表しました。

新しいAS3921は、ams独自のboostedNFCテクノロジーを統合したNFCアナログフロントエンド(AFE)です。本デバイスは、NFCリーダーの使用動作レンジを従来のNFCと比較して、最大で900%まで高めます。それによりAS3921は、スマートウォッチやリストバンドなど、極めて小型で、アンテナしか収まらないデバイスで、NFCトランザクションの信頼性と認識スピードを大幅に改善します。また、本デバイスは、非接触型カードよりも小さいアンテナを持つことができることから、NFC送信が困難な稼働環境で使用されるデバイスからのNFC送信の信頼性も高めます。

スペースに制約のあるアセンブリ要件に対応するAS3921により、OEM企業は、従来のNFCコントローラベースのアーキテクチャよりもシンプルな設計が可能になります。AS3921は、従来のアーキテクチャと比較して、よりシンプルで低価格のソリューションの開発を可能にすると共に、フットプリントの1/3の削減、部品点数の削減、消費電力の低減を同時に実現します。

通常の稼働電力がわずか12μAの、省力型Secure Elementウェイクアップ機能をそなえたAS3921は、一般的に60μA以上を必要とするNFCコントローラ回路よりも電池使用量がはるかに少なくなっています。

わずか2.115mm x 1.735mmという超小型ウェーハーレベルのチップスケールパッケージ(WL-CSP)に収納され、Secure Elementに直接接続するための必要な外部コンポーネントをごく少数しか必要としないboostedNFCテクノロジーを搭載するAS3921は、能動負荷モジュレーションを実装しています。これがリーダーのフィールドと同期するRFIDカードレスポンスを生成します。それにより、非接触型カードに使用される受動負荷モジュレーション(PLM)で可能となる一桁小さい結合係数でのカード-リーダー間通信を可能にしています。

AS3921を搭載し100mm2のアンテナを持つ端末は、一般的には少なくとも面積2,150mm2のアンテナ経由で送信する従来のPLM回路を持つ非接触型カードと同じか、それ以上の稼働量を達成することができます。場合によっては、通常のアンテナのかわりに金属のケーシングを使うことで、デバイスに専用のNFCアンテナでさえ不要になります。

AS3921を導入したデバイスメーカーは、そのデバイスを非接触型ペイメントやチケット発行に利用することで、はるかに優れたエクスペリエンスをユーザーに提供することができます。

  •  ペイメントターミナルや地下鉄の改札、その他NFCリーダーをそなえたデバイスとの、より信頼性の高い接続
  • より大きな使用動作レンジにより、トランザクションをより速く認識し、デバイスがリーダーから遠くてもカップリングを開始
  • デバイスをリーダーのすぐそばで特定の向きにかざす必要がなく、よりいっそう便利に

AS3921は、ISO/IEC 14443(タイプAおよびB)とFeliCa™ RFIDプロトコルに適合しています。その優れたNFC性能により、ウェアラブル端末などスペースに制約のあるデバイスを開発するメーカーは、非接触型ペイメントターミナルで使用するためのEMVCo基準への適合を簡単に実現できます。AS3921をそなえたデバイスの優れたカップリング機能は、NFC基準を完全には満たしていないリーダーとともに使用する場合に、その能力を発揮するため、より速く相互運用性を達成できます。amsのboostedNFCテクノロジーは、ポータブルおよびウェアラブル端末向けとして実績のある唯一のソリューションです。北京、広東、深圳など、中国各地の運送業者ですでに導入され、実績を上げています。都市ごとに異なるアンテナ設定も不要です。

既存製品への統合を容易にするため、NFCアナログフロントエンドAS3921はSecure Elementの非接触インターフェースとACLBまたはNFC-WIインターフェースから直接接続できるようになっています。オンチップのEEPROMにより、顧客は、稼働設定を選択したり、プログラムしたりできるようになっています。またAS3921はNFCタグやNFCインターフェースチップとも接続可能です。

このチップはQファクター調整を提供し、リーダーの飽和を回避して、NFC送信の妨害する環境でも安定した稼働環境の提供を可能にする目的で、自動パワーコントロールを実装しています。これによりあらゆる基準に適合した、あるいは非適合リーダーとの相互運用性を達成しやすくなります。

バッテリー充電の頻度はスマートウォッチなどの新世代デバイスのユーザーにとってもっとも気になる点の1つです。AS3921は低電力で稼働するので、ウェアラブル端末やモバイル端末で使用するのに最適です。AS3921はリーダーのフィールドを検出したときに、Secure Elementの起動に使えるので、それ以外のときにはSecure Elementをシャットダウンモードにしておくことができます。

ams、ワイヤレス接続部門担当マーケティングディレクター、マーク・ディクソンは次のように述べています。「新しいコンパクトなパッケージに収まったAS3921は、スマートウォッチやリストバンドなど、もっとも小さくもっとも人気のあるデバイスによる非接触型ペイメント機能の突破口となります。これらのデバイスのユーザーは、店頭でより速くより便利に、そしてAS3921 ICによって安全なNFC通信ができるため、より信頼して商品を買えるようになるでしょう」