amsの新しい高性能センサインターフェースソリューション、医療用、産業用およびセキュリティ用CTスキャナのより鮮明かつ詳細な画像レンダリングを実現

ams(日本法人:amsジャパン株式会社、東京都港区、カントリーマネージャー 岩本桂一)は本日、コンピューター断層撮影(CT)スキャナ用電流入力ADコンバータ、AS5900を発表しました。本デバイスは、超低ノイズ、超高解像度、優れた直線性を発揮します。

AS5900の優れたアナログパフォーマンスは、より鮮明で、より詳細な画像の撮影を可能とする新しいCTスキャナの開発を可能にします。AS5900を装備した医療用CTスキャナには改良されたX線検出器モジュールが搭載され、患者への放射線量を抑えつつ、医師によるより正確な診断を可能にします。

AS5900、X線CTスキャナ用検出器インターフェースチップは、次の重要パラメータにおける新しいパフォーマンスベンチマークを達成します。超低ノイズ:入力電流1 µA、入力容量30 pFのとき、フルスケールレンジで電子数はわずか3,200です。本回路の信号対雑音比は非常に高く、どんなピクセルサイズでもフレキシブルに使用可能で、最新の高感度フォトダイオードの極めて低い出力電流からもデジタル化を可能にします。その結果、CTスキャナより詳細な画像レンダリングを可能にします。さらに、低ノイズなので、患者のX線被ばく量を削減する一方で、CT機器は高い空間分解能を持つ解像度を維持することが可能です。

  • 超低消費電力:電力消費が1チャネルあたり1 mWとごくわずかで、CTスキャナ内に冷却機能を持たせる必要がなくなり、全体的なシステムコストの低減ができます。
  • 高解像度:AS5900には26ビットのシグマデルタADCが統合されており、より優れたグレースケールパレットを生成できるので、より鮮明で詳細な画像が得られます。
  • 高い直線性:読み取り入力は ±250 ppm(フルスケールレンジの±1 ppm)で、コントラストが向上されたため、画像の明度差のわずかなバリエーションも高い精度でレンダリングされます。

 

amsの新しい検出器チップは、非常に高い収集速度で動作しながら、詳細なモーションフリーな医療用画像を提供します。調整できる積分時間は、最低 50 µsまで設定可能です。

AS5900は設定変更が可能な設計になっているため、フォトダイオードアレイの多重スライスを使用するさまざまなタイプの最終機器への統合に必要な柔軟性を提供します。AS5900は、医療機器だけでなく、産業用やセキュリティ関連のCTスキャナでの使用にも適しています。機器の設計段階で次のようなことが設定可能です。

  • 入力電流のフルスケールレンジおよびノイズフロアの設定のための利得設定
  • 電力消費を検出器の要求に適応させるためのパワーモード
  • 解像度と必要な積分時間とのバランスをとるためのクロック周波数

 

AS5900は、外部コンポーネントが要求する最小化に必要な電流入力ADCのすべての機能を統合しています。内部基準電圧および温度センサーも含まれています。これによりBOMが削減し、結果としてシステムコストを下げます。またAS5900は、ホストFPGAへの標準LVDSインターフェースを搭載し、最大80Mb/sのデータ転送速度を実現すると共に、電力消費の最適化を可能にします。

ams、製品マーケティングマネージャ、ジョセフ・パートルは次のようにコメントしています。「AS5900の特長である超低ノイズと高解像度によって、CTスキャナメーカーはよりよい画像をより高いフルスケールレンジで生成できるようになり、ピクセルサイズにも柔軟性を持たせることができるようになります。この新しい高性能電流デジタル変換器をベースにした次世代CTスキャナ画像の品質と鮮やかさは、医師の方々にはその明らかな違いが分かるでしょう。高速かつ低電力消費での低ノイズの作動により、回転速度が最高の時でも動きアーチファクトのないCT画像が得られるだけでなく、患者さんへの放射線量も抑えることができるのです」

AS5900は現在、10×10mm2のBGAパッケージでサンプル出荷中です。価格につきましては、当社代理店までお問い合わせください。発注数量は1,000ユニット単位です。

評価ボードはamsから請求により利用可能です。データシート、サンプルまたは評価ボードの請求、ファクトシートはこちらのサイトをご覧ください。AS5900.