amsとSTマイクロエレクトロニクス、セキュアなモバイル決済を可能にする革新的なNFCソリューションを発表

高性能アナログICおよびセンサの主要サプライヤであるams AG(SIX:AMS、以下ams)と、多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、NFCシステムのリファレンス設計を発表しました。同リファレンス設計は、簡単かつ信頼性の高いセキュアな非接触処理を実現すると同時に、モバイル機器やウェアラブル機器のスタイリッシュなデザインも可能にします。NFC技術の有用性を大きく拡張する同リファレンス設計は、3月上旬に開催されるMobile World Congressに出展されます。

このリファレンス設計は、先進的なアナログ回路により、小型アンテナが金属面と隣接していたり、使用者の手で覆われるようなRF通信に不利なケースが多く見られる小型機器においても、卓越したNFC性能を実現します。amsとSTは、amsのboostedNFC™技術を採用した新しいアナログ・フロントエンドIC(AS39230)と、STのNFCコントローラ(ST21NFCC)およびセキュア・マイコン(ST33G1M2)を統合しました。これにより、ショッピングでの支払い時、公共交通機関の利用時、アクセス制御などの場合において、簡単かつ高速で高い信頼性を持った非接触処理が可能になります。また、メーカー各社にも、Common Criteria、EMVCo、GlobalPlatform、さらにはVisa、Mastercard、Amex、PBOC(中国人民銀行)等、市場実績のある世界的規模の認証規格のメリットがあります。

STのセキュアMCU事業部 組込みセキュリティ担当マーケティング・ディレクターであるLaurent Degauqueは、次の様にコメントしています。「NFC技術を牽引するamsとの協力により、STのお客様は、拡張されたRF性能と、インテグレーション・所有コストを低減する完全なNFCターンキー・ソリューションの使用が可能になります。我々の共通リファレンス設計は、携帯電話、スマートウォッチ、ウェアラブル機器やセキュア・ネットワーク接続機器等、さまざまな機器に簡単に統合することができます。これにより、非接触処理のユーザ体験が飛躍的に向上するでしょう。」

amsの新製品であるAS39230は、アンテナが受信した信号を増幅します。例えば、NFCタグ、カード、またはカード・エミュレータからNFCリーダに伝送された信号は、従来のパッシブ型負荷変調(PLM)方式の最大10倍の強度に増幅されます。また、設計スペースに制約がある場合でも、同等の信号強度を維持しながら、アンテナを20分の1程度まで小型化(100mm2以下)することができます。AS39230は、機器の金属ケースをアンテナとして使用できため、NFCアンテナに必要な基板スペースが削減され、関連コストも不要になります。

また、amsのboostedNFCチップと共に使用されるSTのシステム・イン・パッケージは、Universal Integrated Circuit Card(UICC)、組込みセキュア・エレメントおよびmicroSDカード・アプリケーション向けのNFCコントローラ(ST21NFCC)と32bitセキュア・マイコン(ST33G1M2)を統合しています。

最新のGlobal Platform GP2.2 OS、およびMIFARE® の全ポートフォリオ(MIFARE Classic、MIFARE DESFire® を含む)に対応するセキュア・マイコンのST33G1M2は、銀行取引やデジタル・アクセス・アプリケーションのいて、市場実績のあるクラス最高の性能を提供すると共に、世界の主要な公共交通機関スキームとの互換性を有しています。ARM® SecurCore® SC300™ 32bit RISCコアを搭載するST33G1M2は、Common Criteria認証を取得済みのセキュリティ機能と、大容量で柔軟性のあるFlashメモリを内蔵しています。メーカー各社やサービス・プロバイダ各社は、同製品を採用することで、実績あるTSM(Trusted Service Management)インフラストラクチャと互換性を持つ機能の導入を計画するが可能になります。

AS39230およびST54Eは、ISO14443 Type A / B、FeliCa(最高データ・レート:424kb/s)、アクティブ・ピアツーピア(ビット・レート:212kb/s)、およびISO18092通信(最高データ・レート424kb/s)等の、カード・エミュレーションを規定する各種NFC規格に対応しています。

amsのワイヤレス・コネクティビティ / パワー事業部 マーケティング・ディレクターであるMark Dicksonは、次の様にコメントしています。「携帯電話やスマートウォッチをどのような状態でリーダにかざしても非接触処理が正常に動作すれば、消費者は継続的に非接触モバイル決済やチケット購入を利用するでしょう。AS39230に採用されている世界最高のアクティブ・ブースト技術と、STの先進的なNFCシステム・イン・パッケージの統合により、メーカー各社は、機器のカード・エミュレーション機能の開発に積極的に取り組むことができます。」

amsのNFC対応アナログ・フロントエンドICであるAS39230は現在量産中で、STのST54Eはサンプル出荷中です。価格、リファレンス設計、データシートおよび評価ボードは、各社のセールスオフィスにお問い合わせください。

amsとSTは、バルセロナで開催されるMobile World Congress(2015年3月2日~5日)に、新しいリファレンス設計を出展する予定です(amsブース:ホール6、6E20、STブース:ホール7、7B146)。

AS39230の詳細については、wireless sensor tags interfaces をご覧ください。

ST21NFCCおよびST33G1M2の詳細については、www.st.com をご覧ください。

 

MIFAREおよびDESFireは、米国およびその他の管轄地域におけるNXP B.V.社の登録商標であり、ライセンスの下、使用されています。